一人暮らしを始める際、「一人暮らしで何アンペアの契約が必要か」は多くの方が悩むポイントです。
現在、20A・30A・40Aなど様々な選択肢がありますが、ご自身のライフスタイルに合わない契約を選ぶと、電気代が無駄に高くなったりします。
逆にアンペア数が足りないことで頻繁にブレーカーが落ちたりと、生活に支障をきたす可能性があります。
特に女性の場合、朝の準備で使う家電が重なることも多いでしょう。
また、オール電化の物件では必要なアンペア数が異なるため、さらに注意が必要です。
この記事では、一人暮らしにオススメのアンペア数の選び方から、電気の契約内容を確認する方法、必要に応じた変更の手順まで、あなたの疑問を解消します。
- 一人暮らしに必要なアンペア数の目安
- 家電ごと(20A・30A・40A)のアンペア数と同時使用の限界
- 賃貸物件での契約アンペア変更の手順と注意点
- アンペア数による月々の電気代(基本料金)の違い
一人暮らしで何アンペア必要か基本を解説
- 20A・30A・40Aの目安
- 使う家電で必要なアンペア数は?
- アンペア数が足りない時の対処法
- 女性の一人暮らしで注意点は?
- オール電化物件で必要なアンペア
20A・30A・40Aの目安
一人暮らしのアンペア契約は、一般的に20Aか30Aが主流です。
ただし、どの家電をどれだけ同時に使うかによって、最適なアンペア数は異なります。
20Aがオススメな人
20A(アンペア)契約は、家電をあまり同時に使わない人に向いています。例えば、「冷蔵庫」と「照明」をつけながら、「テレビ」を見る程度であれば問題ありません。
しかし、ここで「電子レンジ」や「ドライヤー」といった消費電力の大きい家電を使うと、すぐにブレーカーが落ちてしまう可能性があります。
自炊はあまりせず、家電も最小限というライフスタイルの場合に検討しましょう。
30Aがオススメな人
一人暮らしにおいて、最も一般的でオススメなのが30A契約です。
30Aあれば、冷蔵庫や照明などの基本的な家電に加え、「エアコン」を使いながら「電子レンジ」で温めをするといった、日常生活でよくある家電の同時使用に対応できます。
自炊もするし、快適に暮らしたいという方には、30Aを基準に考えることを推奨します。
40Aがオススメな人
40A契約は、家電を多く持っている人や、同時に使う場面が多い人向けです。
例えば、「IHクッキングヒーター」で料理をしながら、「エアコン」をつけ、「食洗機」も回す、といった使い方をする場合は40Aあると安心です。
ただし、一人暮らし向けの物件では30Aまでしか対応していないケースも多く、契約アンペア数を上げると基本料金も高くなるため、本当に必要かを見極めることが大切です。
アンペア(A)とは?
アンペア(A)とは、「一度に流れる電気の量」を示す単位です。この数値が大きいほど、同時にたくさんの家電製品を使えるようになります。
電力会社との「契約アンペア数」によって、毎月の電気代のうち「基本料金」が変動します。
使う家電で必要なアンペア数は?

ご自身の生活に必要なアンペア数を知るためには、まず家電ごとにどれくらいのアンペア数が必要かを知る必要があります。
アンペア数は消費電力(W)から計算できますが(A = W ÷ 100V ※日本の電圧は一般的に100V)、ここでは主な家電の目安を紹介します。
| 家電製品 | アンペア数(目安) | 使用シーン |
|---|---|---|
| 電子レンジ | 15A | 一時的に使用 |
| IHクッキングヒーター (1口) | 14A | 一時的に使用 |
| 炊飯器 (炊飯時) | 13A | 一時的に使用 |
| ヘアドライヤー | 12A | 一時的に使用 |
| 電気ケトル | 10A | 一時的に使用 |
| 掃除機 (強) | 10A | 一時的に使用 |
| エアコン (暖房時) | 6.6A (起動時20A) | 常に使用(変動) |
| 冷蔵庫 | 2.5A | 常に使用 |
| テレビ (液晶42型) | 2.1A | 常に使用(変動) |
| 照明器具 | 1.0A | 常に使用 |
この表から分かる通り、電子レンジやドライヤーなど、熱を発生させる家電は特にアンペア数が高い傾向にあります。
【同時使用の計算例(30A契約の場合)】
例えば、冬の夜に「冷蔵庫(2.5A)」+「照明(1.0A)」+「エアコン暖房(6.6A)」+「テレビ(2.1A)」を使っていると、合計12.2Aです。ここまでは余裕があります。
しかし、この状態で夕食の準備で「炊飯器(13A)」と「電子レンジ(15A)」を同時に使うと…
12.2A + 13A + 15A = 40.2A となり、契約アンペアの30Aをオーバーし、ブレーカーが落ちてしまいます。
アンペア数が足りない時の対処法

契約アンペア数が足りない場合、「ブレーカーが落ちる」という現象が発生します。
これは、契約アンペア数を超える電気が一度に使われたため、安全装置(アンペアブレーカー)が作動して電気の供給を強制的にストップする仕組みです。
ブレーカーが落ちたら?
まずは、使っていた家電のうち、電子レンジやドライヤーといった消費電力の大きい家電のプラグをコンセントから抜いてください。
その後、分電盤(ブレーカー)のアンペアブレーカーのスイッチを「入」に戻します。
頻繁にブレーカーが落ちる場合、生活が不便になります。主な対処法は以下の2つです。
- 家電を同時に使うのを避ける最も簡単な対処法は、家電を使う時間をずらすことです。前述の例で言えば、「炊飯」と「電子レンジ」を同時に使わない、といった工夫でブレーカーが落ちるのを防げます。
- 契約アンペア数を変更する(引き上げる)どうしても同時に使いたい家電がある場合は、契約アンペア数を30Aから40Aに引き上げることを検討します。ただし、これには注意点があり、次章で詳しく解説します。
女性の一人暮らしで注意点は?

特に女性の一人暮らしでは、朝の忙しい時間帯にブレーカーが落ちやすい傾向があります。
これは、生活に欠かせない家電の同時使用が朝に集中しがちだからです。
【女性の(忙しい朝)シミュレーション】
「エアコン(6.6A)」をつけ、「ヘアアイロン(〜7A程度)」で髪をセットし、「電気ケトル(10A)」でお湯を沸かしながら、「電子レンジ(15A)」で朝食を温める…。
これだけで合計38.6Aとなり、30A契約では確実にブレーカーが落ちてしまいます。(※冷蔵庫や照明などの常時使用分を除く)
このように、ヘアドライヤーやヘアアイロンは美容家電の中でも特に消費電力が大きいため、他の家電との同時使用には注意が必要です。
20A契約では、エアコンとドライヤーの同時使用すら難しい場合があります。
ご自身の生活スタイルをイメージし、朝の準備で使う家電が重なる場合は、30A以上での契約をオススメします。
オール電化物件で必要なアンペア

注意が必要なのが、オール電化物件の場合です。
オール電化とは、調理、給湯、冷暖房など、家庭内のエネルギーをすべて電気でまかなう住宅のことです。
最大の違いはコンロです。
ガスコンロの代わりに「IHクッキングヒーター」が設置されていますが、このIHクッキングヒーターが非常に大きな電力を消費します。
IHクッキングヒーターは20A〜30A使う
IHクッキングヒーターは、製品によりますが単体で20A〜30A(200V機器の場合は数値が異なりますが、電力としては大きい)を消費します。
これに加えてエコキュート(給湯器)や他の家電も使用するため、一般的なアンペア契約(従量電灯)とは異なる料金プラン(時間帯別契約など)になっている場合が多いです。
もし一人暮らし向けのオール電化物件(ワンルームなど)でアンペア契約が必要な場合、料理中に他の家電を使うことを考慮すると、最低でも40A、余裕を持つなら50Aや60Aが必要になるケースがほとんどです。
入居前に契約内容をしっかり確認しましょう。
一人暮らしで何アンペア契約が最適か
- オススメのアンペア数の選び方
- 電気の契約アンペア数を確認する方法
- 契約アンペアの変更手順と注意点
- アンペア数で変わる電気代の比較
- 一人暮らしで何アンペア選ぶかの総括
オススメのアンペア数の選び方
結局、どのアンペア数を選べばよいのでしょうか。
最適な契約アンペア数を選ぶための結論は、「あなたが同時に使う可能性のある家電のアンペア数の合計値」を基準に決めることです。
以下の手順で、ご自身の必要なアンペア数を見積もってみましょう。
- 常時使う家電のアンペア数を合計する(例:冷蔵庫 2.5A + 照明 1.0A = 3.5A)
- 同時に使う可能性が高い家電のアンペア数を加算する(例:冬の夜、自炊する場合)3.5A + エアコン暖房 6.6A + 炊飯器 13A + IHヒーター 14A = 37.1A
この場合、30A契約では足りず、40A契約が必要という判断になります。
逆に、自炊はせず電子レンジとエアコンが同時に使えれば良い、という場合は「3.5A + エアコン 6.6A + 電子レンジ 15A = 25.1A」となり、30A契約で十分だと分かります。
このように、ご自身のライフスタイル、特に「自炊の頻度」と「朝の準備(ドライヤーなど)」を基準に考えると、最適なアンペア数を選びやすくなります。
電気の契約アンペア数を確認する方法

現在住んでいる物件や、引越し先の物件の契約アンペア数が分からない場合、以下の方法で確認できます。
1. 分電盤(ブレーカー)を見る
玄関や脱衣所などに設置されている「分電盤」で確認するのが一番早いです。
左側にある一番大きなスイッチ(アンペアブレーカー)に、「30A」といった数字が記載されています。
また、電力会社によっては色分けされており、例えば東京電力エリアでは以下のようになっています。
- 20A:黄
- 30A:緑
- 40A:灰
- 50A:茶
※スマートメーターが導入されている住宅では、アンペアブレーカー自体が無い場合があります。その場合は他の方法で確認してください。
2. 検針票(電気ご使用量のお知らせ)を見る
毎月ポストに投函される「電気ご使用量のお知らせ」(検針票)にも、契約アンペア数が記載されています。
WEB明細を利用している場合は、電力会社の会員サイトにログインして契約内容を確認しましょう。
契約アンペアの変更手順と注意点
「現在20A契約で不便だから30Aに変更したい」という場合、電力会社に連絡すれば変更が可能です。
ただし、特に賃貸物件の場合は、絶対に守るべき手順と注意点があります。
手順1:大家さん・管理会社へ許可を取る
【最重要】賃貸物件の場合、まず最初に大家さんや管理会社に「契約アンペア数を変更したい」と連絡し、許可を得る必要があります。
建物全体の電気容量(使える電気の量)には上限があり、各部屋が勝手にアンペア数を上げると、建物全体の電気が落ちてしまう(停電する)リスクがあるからです。
また、築年数が古い物件では、配線の問題でアンペア数を上げられないこともあります。
手順2:電力会社へ申し込む
大家さんから許可が出たら、契約している電力会社のコールセンターやWEBサイトからアンペア変更を申し込みます。
手順3:取り替え工事(必要な場合)
スマートメーターが設置されている場合は、電力会社が遠隔操作でアンペア数を変更してくれるため、工事や立ち会いは不要です。
旧来のメーター(アンペアブレーカー)の場合は、作業員が訪問してブレーカーの交換工事を行います。
この工事は基本的に無料で、15分〜30分程度で完了しますが、立ち会いが必要です。
アンペア変更の注意点
- 1年間は再変更できない:契約アンペア数を変更すると、原則として1年間は再度変更(上げることも下げることも)できません。
- 退去時の原状回復:アンペア数を上げた場合、退去時に「元のアンペア数に戻す」よう求められる場合があります。変更許可をもらう際に、退去時の対応についても確認しておきましょう。
アンペア数で変わる電気代の比較
契約アンペア数を上げると快適になりますが、その分「基本料金」が高くなります。
電気代は主に「基本料金+電力量料金」で構成されており、アンペア数を上げても、実際に使う電気の量(電力量)が同じであれば、差額は基本料金分だけです。
参考として、いくつかの電力会社の基本料金(月額・税込)を見てみましょう。
| 契約アンペア | 東京電力EP「従量電灯B」 | auでんき「でんきMプラン(東京)」 |
|---|---|---|
| 20A | 590.48円 | 590.48円 |
| 30A | 885.72円 | 885.72円 |
| 40A | 1,180.96円 | 1,180.96円 |
※上記は一例です(2025年6月時点の情報に基づく例)詳しくは各HP(東京電力EP・auでんき)で確認してください。電力会社やプランによって料金は異なります。
※関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力など、そもそもアンペア契約(基本料金)がない「最低料金制」を採用しているエリアもあります。
この表を見ると、例えば20Aから30Aに変更した場合、月々の基本料金は約300円高くなります。
この金額を「安心料」として許容できるかが、変更するかどうかの判断基準の一つになります。
一人暮らしで何アンペア選ぶかの総括
一人暮らしで何アンペアを選ぶべきか、この記事の要点をまとめます。
- アンペア(A)は一度に使える電気の量
- 一人暮らしの目安は20Aか30Aが一般的
- 20Aは家電が少なく同時使用しない人向け
- 30Aは自炊やエアコンも使う標準的な人向け
- 40Aは家電が多い人や自炊を頻繁にする人向け
- 電子レンジやドライヤーは特にアンペア数が高い
- 女性は朝の家電同時使用に注意
- オール電化物件(IHヒーター)は40A以上を推奨
- 最適なアンペア数は「同時使用する家電の合計」で決める
- 契約アンペア数の確認はブレーカーの色や数字を見る
- 検針票やWEB明細でも確認可能
- 賃貸でアンペア変更する際は大家・管理会社の許可が必須
- 変更すると基本料金が変わる(20A→30Aで月約300円増など)
- アンペア変更後は1年間再変更できない
- ブレーカーが落ちる場合は家電の時間をずらすか変更を検討