こんにちは。ヒトグラ、運営者の「ハシタカ」です。
一人暮らしをしていると、万が一の時に「誰も気づいてくれなかったらどうしよう」という不安、ありますよね。
私自身も一人暮らしなので、その気持ち、よく分かります。
特に離れて暮らす家族がいると、心配をかけたくない反面、何かあった時のために備えておきたいと思うものです。
最近は、無料で使えるものや、LINEを活用した手軽なサービスも増えています。
一方で、GPSで位置情報を共有する「Life360」のようなアプリは、便利ですがプライバシーや「バレる」といった心配もありますよね。
また、ご高齢者の両親を見守るために、操作不要の簡単なアプリを探している方もいるかもしれません。
iPhoneやAndroidで使えるのか、設定は難しくないか、災害時の「ココダヨ」のようなアプリはどうなのか、さらにはALSOKやセコムといった本格的なサービスとの違いは何か、いろいろ気になりますよね。
この記事では、そんな「一人暮らしの安否確認アプリ」について、様々なタイプを比較しながら、それぞれのメリットや注意点を分かりやすく整理していきます。
自分や大切な家族にピッタリな方法を見つけるお手伝いができれば嬉しいです。
- 安否確認アプリの4つの主要タイプとその仕組み
- 無料やLINEで使える手軽なアプリの特徴
- GPS型アプリのメリットとプライバシー問題
- アプリ以外の選択肢（警備会社やIoT機器）との比較
一人暮らしの安否確認アプリ4タイプ比較
」一口に「安否確認アプリ」と言っても、実は仕組みによって大きく4つのタイプに分けられます。
それぞれの特徴を知って、自分の使い方に合うものを見つけるのが大事ですね。
ここでは、代表的なアプリを例に挙げながら、その違いを見ていきましょう。
無料で使える？LINE利用のアプリ
まず、一番手軽に始められるのが、無料もしくは低コストで使える「応答型」のアプリです。
これは、設定した時刻にアプリから「元気ですか？」といった通知が届き、利用者本人が「OK」や「元気です」といったボタンを能動的にタップすることで安否を報告する仕組みですね。
LINEで安否確認「エンリッチ」
日常的に使っているLINEを活用するサービスもあります。例えば「NPO法人エンリッチ」が提供する見守りサービスは、無料で利用できるのが最大の魅力かなと思います。
利用者が設定した間隔（「毎日」「2日に1回」など）と時間に安否確認のLINEメッセージが届き、「OK」ボタンをタップするだけで完了します。
もし通知から24時間応答がない場合は再通知が来て、さらに3時間応答がない場合は、あらかじめ登録された家族や本人に電話連絡が入る仕組みのようです。
応答型アプリ「PeaceSign」
「PeaceSign（ピースサイン）」というアプリもこのタイプですね。「元気です」または「調子がよくないです」の2択で応答するシンプルなものです。
無料プラン（アプリ内課金あり）と、月額500円（見守り4名まで）のプランがあるようです。
有料プランだと、もし応答がなかった場合に家族が本人の位置情報を確認できたり、緊急メッセージを送れたりする機能が備わっているみたいです。
この「応答型」の注意点は、あくまで本人が操作できることが前提という点です。
万が一、急病や事故ですでに意識がない、または動けない状態の場合、応答操作が物理的に不可能です。
その場合、発見が遅れるリスクはゼロではない、という点は理解しておく必要がありそうですね。
高齢者向けの「操作不要」タイプ
ご高齢者の親御さんなど、スマホ操作に慣れていない方や、毎日の応答を「面倒」と感じてしまう方には、「操作不要」のタイプが注目されています。
これは「パッシブ（センサー）型」と呼ばれていて、利用者の能動的な操作を必要とせず、スマートフォンの利用状況をバックグラウンドで監視する仕組みです。
スマホ利用時間で見守る「マモルバ」
例えば「マモルバ」というアプリは、「最終の携帯利用時間」を検知して、その情報を指定した家族などに自動で共有します。
見守られる側（本人）は、アプリをインストールして共有先を登録するだけで、その後の操作は一切不要とのこと。
これにより、「見守り感ゼロ」の自然な安否確認が可能になる、とされています。
万が一、本人が倒れてスマホを「操作できない」状態に陥った場合でも、その「操作の途絶」を検知できる可能性があるわけですね。
Apple Watchなどのウェアラブルデバイスと連携して、心拍数や活動歩数といった生体データまで通知できる「Hachi」のような、より高度なパッシブ型もあります。
ただ、これは専用のデバイスが必要になってきますね。
このタイプのデメリットとしては、「スマートフォンの不使用＝異常事態」とは限らないため、例えば長時間の睡眠、読書、映画鑑賞などでスマホを触らなかった場合に、誤検知が起こる可能性が考えられます。
GPS型「Life360」のメリット
位置情報共有アプリとして非常に有名な「Life360（ライフ360）」
これは安否確認専用というより、家族間での位置情報共有に強みがある「ポジショナル（GPS）型」アプリです。
家族などのグループメンバーの位置情報を地図上でリアルタイムに把握できたり、指定したエリア（自宅、学校、病院など）への出入りを自動で通知する「ジオフェンシング機能」が便利ですね。
認知症などによる「徘徊」の恐れがあるご家族の見守りや、外出先での事故・災害時にどこにいるかを確認するといった、「自宅外」でのリスクに対しては非常に強力なツールだと思います。
「自宅内」のリスクには不向き
ただし、Life360には孤独死対策において決定的な弱点があります。
一人暮らしの方が最も懸念する「孤独死」は、その多くが「自宅内」で発生します。
GPS型アプリは、本人が「自宅にいる」ことは正確に示せますが、本人が自宅で倒れて丸一日動けない状態であったとしても、GPS上のステータスは「自宅にいます」のまま変化しません。
つまり、GPS型アプリは「自宅内」での急病や転倒といった孤独死の主要因の検知には、全く適していないと言えます。あくまで「自宅外」での見守りがメインと考えるのが良さそうです。
位置情報と「バレる」プライバシー
Life360のようなGPS型で、技術的な問題以上に深刻なのが、このプライバシーの問題です。
ネットで「Life360 バレる」といったキーワードの検索が非常に多いことからも分かる通り、「常時監視されている」という感覚を不快に感じ、そこから逃れたいと思う人（特に大学生や若い社会人の方）は少なくありません。
見守られる側が監視を嫌がって、
- スマートフォンを「機内モード」にする
- アプリ単体の位置情報サービスへのアクセス権限をオフにする
- スマートフォンの電源自体を切る
- （上級者になると）予備のスマホを「身代わり」として自宅に置いておく
といった「回避行動」を取られてしまうケースも報告されています。
ここには重大なパラドックスがあります。家族が「安全のため」「良かれと思って」導入した監視が、見守られる側の強い抵抗を引き起こす。
その結果、本人が回避行動（例：電源オフ）を実行している最中に、万が一の緊急事態が発生した場合、アプリは機能せず、発見が決定的に遅れる…という、本末転倒の事態を招く危険性があります。
良かれと思って導入したアプリが、かえって家族間の信頼関係を深刻に損ねる可能性もあります。
「安全性」と「プライバシー」のバランスは、導入前に家族間でしっかり話し合うことが不可欠ですね。
iPhone・Androidの対応は？
「家族で使いたいけど、iPhoneとAndroidでOSがバラバラ…」という心配もあるかもしれませんね。
基本的に、この記事で紹介している主要なアプリのほとんどは、iPhone (iOS) と Android の両方に対応しています。「Life360」や「PeaceSign」、「ココダヨ」などは、家族間でOSが違っても使えることが多いのは安心できるポイントです。
ただし、一部のアプリには例外もあります。例えば、先ほど紹介した「マモルバ」は、見守られる側（操作不要な側）がAndroidのみの対応だったり、「Hachi」はApple Watchとの連携が前提だったりします。
また、GPSや各種センサーをバックグラウンドで常時稼働させるアプリは、どうしてもスマートフォンのバッテリー消費が激しくなるという技術的な課題もあります。
導入を検討する前には、必ず公式サイトで、ご自身の環境（OSのバージョンなど）に対応しているか、バッテリー消費はどの程度か、といった点をチェックするようにしましょう。
一人暮らしの安否確認アプリ以外の選択肢
「アプリでの見守りは、スマホ操作が不安な親には難しいかも…」「プライバシーの問題がやっぱり気になる」…そんな方には、アプリ以外の方法もあります。
専門家が駆けつけてくれる本格的なサービスから、もっと「さりげない」見守りまで、代表的な選択肢を見てみましょう。
警備会社（ALSOK・セコム）
「安心感」で言えば、やはりALSOK（アルソック）やセコムといった、プロの警備会社が提供するサービスが最強だと思います。
アプリやIoT機器が「異常の通知」までしかできないのに対し、警備会社の最大の強みは、異常検知時に警備員が物理的に自宅へ駆けつけてくれる「駆けつけサービス」の存在です。
現場での安否確認と、必要に応じた119番通報などの「実行」までを担ってくれます。
どうやって異常を検知する？
利用者本人が首から下げたペンダント型ボタンや、壁のボタンを押す「緊急通報（アクティブ）」が基本です。
加えて、私が特に合理的だと感じたのは「ライフリズム監視（パッシブ）」という仕組みです。
これは、トイレのドアなど、日常生活で必ず通過する場所に開閉センサーを設置し、「一定時間（例：12時間）センサーの反応がない」場合に異常と判断し、自動で通報（または駆けつけ）してくれるものです。
これならプライバシーに配慮しつつ、自宅内での意識不明や転倒といった最悪の事態を検知できる可能性が高まりますね。
ネックはやはり費用です。プランにもよりますが、月額料金（駆けつけサービス有りで月額3,000円〜9,000円台程度が目安）に加え、数万円から数十万円の初期費用（機器費・工事費）がかかるケースが一般的です。
まさに「安心」をお金で買う、という側面が強い選択肢ですね。
費用はプランや家の状況によって大きく変わるため、正確な料金は必ず各社の見積もりで確認してください。
自治体や宅配の見守り
もっとアナログで、温かみのある「人」による見守り方法もあります。
デジタル機器の操作が困難な高齢者の方には、こちらの方が適しているかもしれません。
自治体のサービス
多くの自治体（市区町村）が高齢者支援の一環として、安否確認サービスを提供しています。
例えば、委託スタッフが定期的に電話をかける「安心電話」や「ふれあい安心電話」、あるいは警備会社と連携した「緊急通報装置の貸与」などです。
これらは無料または非常に安価なことが多いですが、「65歳以上のひとり暮らし高齢者」など、利用には一定の条件が設けられていることが一般的です。
まずはお住まいの市区町村の窓口（高齢福祉課など）やウェブサイトで、どんな支援があるか調べてみるのが良いと思います。
訪問・宅配サービス
民間のサービスが、商品の提供と安否確認をセットで行うモデルもあります。
代表的なのが「ワタミの宅食」です。栄養管理されたお弁当や総菜を「手渡し」することを原則とし、その際に配達スタッフが利用者の様子（安否）を確認します。
もし異常があれば、指定の支援センターや家族へ連絡される仕組みです。郵便局も「みまもりサービス」として、スタッフが定期的に自宅を訪問し、生活の様子を確認して家族に報告するサービスを提供しています。
これらは、孤独死対策と同時に、社会的な「孤立」を防ぐコミュニケーションの機会にもなるのが良い点ですね。
IoT機器（電球・センサー）
「監視カメラによる常時監視はプライバシー侵害で絶対に嫌だ」「でも、アプリの操作は親には難しい」…そんな「安全性 vs プライバシー」問題に対する、現状の最適解の一つが、IoT（モノのインターネット）機器を使った「さりげない」見守りだと思います。
電球交換だけの「ハローライト」
これは画期的だなと思いました。自宅のトイレや廊下など、毎日必ず利用する場所の電球を、SIM内蔵の専用電球（ハローライト）に交換するだけです。
この電球のON/OFF（＝人の通過・利用）が24時間検知されない場合、異常とみなされ、家族にメールなどで通知が届きます。
クロネコヤマトなどが提供しているプランでは、通知を受けた家族が対応できない場合、スタッフが自宅訪問まで行ってくれるものもあるようです。
利用者の生活を一切変えないのがすごいですよね。
多機能センサー「CareAlert」
コンセントに挿す常夜灯のようなガジェットもあります。例えば「CareAlert」という機器は、カメラ非搭載を明記し、プライバシーに配慮しています。
内蔵された空気、光、音、動き、温度、湿度などの複数センサーで室内の状況を把握し、AIが利用者の生活パターン（起床時間、外出時間など）を学習します。
そのパターンから逸脱（例：起床時間になっても動きがない）した場合に、家族へ通知する仕組みです。
Alexaの「呼びかけ」機能は？
Amazon Echo Show（画面付きデバイス）の「呼びかけ (Drop In)」機能を利用する方法もあります。
これは、家族がスマホのAlexaアプリから「呼びかけ」操作を行うと、相手側（実家）の応答操作なしで、自動的に通話（ビデオ通話）が開始される機能です。
非常に強力ですが、プライバシー侵害の側面も強いですよね。
緊急時の最終確認手段としては最強ですが、平常時に無断で使うと家族関係が悪化しかねないので、他のセンサー（ハローライトなど）で異常が検知された後の「緊急確認手段」として使うのが現実的かな、と私は思います。
災害時専用ココダヨ
ここで一つ、毛色の違うアプリを紹介します。「ココダヨ」は、これまで紹介した「日常の孤独死対策」アプリとは目的が異なります。これは災害時専用の安否確認アプリです。
震度5弱以上の緊急地震速報、または大雨危険度（警戒レベル3相当以上）が発せられた場合に自動で起動し、あらかじめ登録された家族グループに対し、本人の安否と位置情報を自動送信する機能を持っています。
最大の特徴はプライバシーへの配慮です。初期設定では、平常時の居場所は家族にも非公開（「災害時のみ公開」）となっています。監視されている感覚が一切ないため、家族関係に悪影響を与えません。
ただし、これはあくまで「災害対策」です。地震や豪雨の際、家族がバラバラの場所で無事かどうかを迅速に知るためには非常に有効ですが、日常に潜むリスク（急病、転倒、孤独死）には一切対応できません。
「孤独死防止」をメインに考えている方は、他のアプリやサービスと併用する必要がありますね。
目的別ソリューション比較
これだけ選択肢があると、結局どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。
ここまで見てきた情報を参考に、目的別に「私ならこう選ぶかも」という視点でまとめてみます。
ケース1：自分自身（健康な大学生・社会人）
「万が一に備えたい。でもコストはかけたくないし、監視もされたくない」
この場合は、LINEで無料の「エンリッチ」や「PeaceSign」のアクティブ（応答）型が手軽で良さそうです。
自分で通知間隔などを管理でき、「もしも応答できなかった時だけ」家族に通知が飛ぶ設定は、自立した個人のニーズに合っていると思います。
ケース2：離れて暮らす親（元気だが、将来が心配）
「親は元気だが、監視されていると感じさせたくない。良好な関係を維持しつつ『さりげない』見守りをしたい」
このケースが一番難しいかもしれません。「ハローライト」のようなIoT機器や、「ワタミの宅食」のような訪問型サービスが、親の日常生活を一切変えることなく（「見守り感ゼロ」）、受動的に「異常」を検知できるベストな選択かなと思います。
ケース3：離れて暮らす親（持病・認知症の兆候あり）
「転倒や発作、認知症による徘徊が現実的に心配。異常があったら『即時』対応してほしい」
これはもう、コストがかかってでも「警備会社（駆けつけ有り）」一択かもしれません。
持病があるなど高リスクの状況では、異常検知後の「対応の速さ」が何よりも優先されますよね。
ライフリズムセンサーや緊急通報ボタンは、本人が意識を失った場合でも機能するのが強みです。
徘徊が懸念される場合は、バッテリー持ちが良く操作不要な「専用GPS端末」の併用も検討したいです。
最適な一人暮らし 安否確認アプリの選び方
ここまで様々な「一人暮らし 安否確認アプリ」や、アプリ以外のサービスを見てきました。
結論として、「これ一つであらゆるリスクに対応できる完璧なソリューション」は無い、ということかなと思います。GPS型は「自宅内」の孤独死検知が弱いですし、応答型は「意識がない」とダメ。IoTセンサーは「駆けつけ」はしてくれませんし、警備会社は「高額」です。
だからこそ一番大切なのは、「安全性」と「プライバシー」のバランスを、当事者同士（見守る側と見守られる側）でしっかり話し合うことだと私は思います。
「見守る側」の安心だけを優先して、相手が不快に思うGPS監視アプリなどを無理やり導入しても、結局スマホの電源を切られたり、位置情報をオフにされたりして、緊急時に機能しなければ全く意味がありません。
まずは「何が一番不安か？」（自宅での孤独死なのか、外出時の徘徊なのか、災害なのか）を明確にして、お互いが「これなら受け入れられる」と納得できる着地点を探すのが、最適な「一人暮らし 安否確認アプリ」の選び方なのかもしれませんね。
この記事で紹介したサービス内容や料金は、あくまで一般的な目安であり、2025年11月時点での情報に基づいています。導入を検討される際は、必ず各サービスの公式サイトで最新の情報を確認したり、必要に応じて専門家（警備会社や自治体の窓口など）に直接ご相談くださいね。