こんにちは。ヒトグラ運営者の「ハシタカ」です。
念願の一人暮らしを始めたものの、毎月のやりくりに頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。
特に食費は、自炊をするか外食中心かによって金額が大きく変わるため、自分が使いすぎているのかどうか判断が難しいですよね。
平均だけでなく中央値を知ることで、大学生や社会人といった属性、あるいは男性や女性といった性別ごとのリアルな実態が見えてきます。
- 統計データに基づく食費の「平均」と「中央値」の明確な違い
- 学生や社会人など属性ごとのリアルな支出目安
- 手取り収入から算出する無理のない食費予算の計算式
- 明日から実践できる具体的で効果的な食費削減テクニック
一人暮らしの食費中央値と平均の実態を知ろう

「みんな毎月いくら使っているんだろう?」と気になって検索してみると、4万円だったり6万円だったり、数字がバラバラで混乱したことはありませんか?
実は、私たちが目指すべき基準は「平均値」ではなく、もっと現実的な「中央値」にあるんです。
ここでは、2025年最新の傾向を踏まえたリアルな数字を紐解いていきます。
平均より低い食費3.5万円が現実的な目安
ニュースや雑誌でよく目にする「一人暮らしの食費平均」は、だいたい4万円から、高い調査だと6万円近くになることもあります。
「そんなに使っていないよ」と思うか、「うわ、私使いすぎ?」と焦るか、反応は人それぞれだと思います。
しかし、ここで本当に参考にすべき数値は「中央値」である約35,000円です。
なぜ平均値とこれほど差が出るのかというと、統計学的な「外れ値」の影響です。
一部の富裕層や、毎食外食というグルメな方々が高額な支出をすることで、平均値全体が大きく引き上げられてしまうのです。
一方で「中央値」は、データを金額の小さい順に並べたときに、ちょうど真ん中に来る人の数字を指します。
つまり、ここが最も「普通」の生活実感に近いラインと言えます。
実際に家計簿アプリなどのビッグデータを分析すると、多くの単身者が3万円台半ばでやりくりしている実態が浮かび上がってきます。
(出典:総務省統計局『家計調査』)
インフレと地域格差の意外な関係
2024年から2025年にかけてのデータで特筆すべきなのは、都市部よりもむしろ地方部での食費上昇率が高い点です。
ガソリン価格の高騰による物流コストの転嫁や、競争原理の働きにくさが影響しており、「地方だから物価が安くて食費が浮く」という定説は、もはや通用しなくなってきているのが現状です。
自炊と外食の理想的な食費内訳バランス

では、中央値である35,000円で生活している人は、どのような内訳でお金を使っているのでしょうか。
毎日もやし炒めを食べてストイックに耐えているわけではありません。
データや実態を見ると、だいたい自炊(食材費)に18,000円、外食・中食に17,000円程度というバランスが見えてきます。
完全自炊でなくても大丈夫
この数字が意味するのは、「完全自炊」を行っているわけではないということです。
基本はスーパーで食材を買って自炊しつつ、週に数回はコンビニでお弁当を買ったり、友人とランチを楽しんだりできる余地があります。
逆に言えば、飲み会や外食費だけで月2万円を超えてくると、この「中央値」の生活を維持するのは数学的に困難になります。
35,000円をキープしている人は、この「自炊と外食の比率」を無意識のうちにコントロールできている人たちだと言えるでしょう。
大学生や社会人で異なる食費の適正額
「一人暮らし」と一口に言っても、学生さんと社会人では生活スタイルも財布の事情も全く違いますよね。
それぞれのライフステージに合わせた適正額を見ていきましょう。
属性別の目安と支出傾向(月額)
- 大学生(下宿生):約26,000円仕送りやバイト代でやりくりする学生時代は、全世代で最も低い水準です。
学食の安価なメニューや、パスタ・うどんなどの炭水化物中心の自炊でカロリーを確保している「サバイバル」な傾向が見て取れます。
- 若手社会人(〜34歳):約35,000円〜40,000円就職して収入が得られるようになると食費は上がりますが、同時に仕事が忙しくなり自炊の時間が減ります。
「時間の節約」としてコンビニや惣菜への依存度が高まるほか、同僚とのランチなど「社交費」としての食費が発生するのが特徴です。
- ミドル層(35歳〜):約43,000円〜47,000円収入の増加に伴い、支出はピークを迎えます。単に腹を満たすだけでなく、健康意識の高まりから有機野菜を選んだり、お酒やコーヒーといった嗜好品にお金をかけたりする余裕が生まれます。
- シニア層(60歳〜):約38,000円〜40,000円基礎代謝が落ちて食べる量が減ることや、退職後に時間的余裕ができることで丁寧な自炊が可能になり、食費は緩やかに減少して落ち着く傾向にあります。
女性と男性で見る1ヶ月の食費傾向の違い

性別によっても、お金のかけどころには面白い違いがあります。
統計的に見ると、男性の方が女性よりも約1万円ほど食費が高い傾向にあります。
男性は、牛丼屋やラーメン店などの外食比率が高く、また「満腹感」を重視するため一回あたりの量も多くなりがちです。
自炊をする場合でも、肉料理などボリュームのあるメニューを好む傾向があります。
一方で女性は、自炊比率が高く、一見すると食費が安く済みそうですが、カフェ代やスイーツ、あるいは「オーガニック野菜」「スーパーフード」といった質の高いものにコストをかける傾向があります。
どちらが良い悪いではありませんが、自分の性別や好みの傾向(男性なら量と外食、女性なら質とカフェ)を知っておくことで、無駄遣いのポイントに気づきやすくなります。
手取りから計算する食費の予算目安
ここまで「35,000円」という目安をお伝えしてきましたが、最も大切なのは「自分の収入に見合っているか」です。
FP(ファイナンシャルプランナー)の視点などを参考にすると、無理のない食費の目安が見えてきます。
以下の表を参考に、自分の手取りと照らし合わせてみてください。
| 手取り月収 | 節約ライン(10%) | 理想・中央値(15%) | ゆとりライン(20%) |
|---|---|---|---|
| 15万円 | 15,000円 | 22,500円 | 30,000円 |
| 20万円 | 20,000円 | 30,000円 | 40,000円 |
| 25万円 | 25,000円 | 37,500円 | 50,000円 |
| 30万円 | 30,000円 | 45,000円 | 60,000円 |
手取り20万円〜25万円の方にとって、食費35,000円というのは収入の約15〜17%に相当し、非常に理にかなった数字であることがわかります。
もし手取り20万円で食費が5万円(25%)を超えている場合は、貯金ができていないか、他の生活費を圧迫している危険信号と言えるでしょう。
一人暮らしの食費中央値を達成する節約術

現状がわかったところで、次はどうやってその金額に収めるか、具体的なアクションプランを考えていきましょう。ただ「我慢する」だけでは続きません。
仕組みを変えることが重要です。
理想のエンゲル係数は手取りの15%
先ほどの表でも触れましたが、一人暮らしにおける食費の黄金比率は「手取りの15%」です。
これをキープできれば、健康的な自炊をしつつ、たまには友人と外食を楽しむ余裕も生まれます。
もし今、食費が手取りの20%を超えているなら、それは「使いすぎ」のサインかも。他の固定費を圧迫しているか、将来のための貯蓄ができていない可能性が高いです。
まずは「Money Forward ME」や「Zaim」といった家計簿アプリを活用して、銀行口座やクレジットカードを連携させましょう。
自分のエンゲル係数が今何パーセントなのか、現状を「見える化」することが、食費コントロールの第一歩です。
現金払いは使途不明金になりやすいので、可能な限りキャッシュレスにして自動記録させるのがコツですよ。
コンビニ利用を減らす具体的な節約手法

食費が予算オーバーする最大の原因、それは間違いなく「コンビニ」です。
仕事帰りに疲れていると、明るい照明に吸い寄せられるように入ってしまいませんか?
データによれば、コンビニの商品はスーパーに比べて平均して3割〜5割ほど割高です。これは「利便性への対価(コンビニ税)」とも呼ばれます。
これを防ぐための最強のルールは「コンビニに行くのは3日に1回まで」と決めることです。行く回数を物理的に減らすだけで、ついで買いのリスクは激減します。
「中食」のパラドックス
お弁当やお惣菜(中食)は、外食より安いので一見合理的に見えます。
しかし、毎日700円(弁当+お茶)を使い続けると、月額約21,000円になります。
これに朝食や週末の外食が加われば、容易に4万円を突破します。
「中食」は、単発では合理的ですが、継続すると不経済になるという性質があることを覚えておきましょう。
ラテ・ファクターを見直す
また、ペットボトル飲料やカフェラテといった「飲み物代」も馬鹿になりません。
これを「ラテ・ファクター」と呼びますが、マイボトルを持参したり、スーパーで2Lの水を買う習慣に切り替えるだけで、月3,000円〜5,000円の節約につながります。
これは年間で言えば6万円近い金額になり、ちょっとした旅行に行けるレベルです。
冷凍と作り置きで食費を賢く抑えるコツ
一人暮らしの自炊で一番困るのが「食材を余らせて腐らせてしまう」こと(フードロス)ですよね。これを防ぐ技術が「冷凍」です。
私が実践して効果が高かったのは、以下の2点です。
- 肉は特売日にジャンボパックを買う:
割高な少量パックではなく、100g単価の安いジャンボパックを購入し、帰宅後即座に1食分(約100g)ずつラップに包んで冷凍します。これだけで肉のコストを20〜30%下げられます。
- 下味冷凍を活用する:冷凍する際に、醤油や酒、生姜などで味付けをしておきます。解凍して焼くだけでメインのおかずが完成するため、疲れている時の「自炊面倒くさいから外食しちゃおう」という逃避を防ぐ防波堤になります。
また、週末に全てを作り置くのはハードルが高いですが、ご飯を3合炊いて冷凍しておく、ブロッコリーを茹でておくといった「素材の作り置き」なら、毎日の料理に応用が利きやすく、無理なく続けられます。
栄養不足を防ぎ健康を守る食事の考え方

節約を意識しすぎて、毎日うどんやパスタ、もやしばかり食べていませんか?
これではタンパク質やビタミンが不足し、「新型栄養失調」に陥るリスクがあります。
若いうちは体力でカバーできても、長期的には免疫力の低下などを招き、将来的に医療費がかさんで本末転倒になってしまいます。
FPの視点からも、食費は「将来の自分への投資」でもあります。35,000円という中央値は、健康を維持するための「必要経費」と捉えてください。
高価な牛肉を買う必要はありません。
卵、豆腐、納豆、鶏胸肉、旬の野菜といった、安価で栄養価の高い食材(優等生食材)を積極的に取り入れましょう。
これらは「良い支出(Good Cost)」です。ここを削るのではなく、お菓子やジュースといった「悪い支出(Bad Cost)」を削る意識が重要です。
無理なく一人暮らしの食費中央値を目指す
ここまで、一人暮らしの食費中央値である35,000円という目安と、それを達成するための具体的な方法を見てきました。
大切なのは、単に数字を削ることだけが正解ではないということです。
過度な節約で友人と疎遠になったり、体を壊してしまっては意味がありません。
「交際費」としての食事は楽しみつつ、日常の「ケの食事」はしっかり管理する。
そんなメリハリのある使い方ができれば、食費35,000円生活は決して苦しいものではなく、むしろ自己管理ができている充実感につながるはずです。
まずは今の支出を把握し、コンビニの回数を減らす、飲み物を変えるといった小さな「仕組み」の変化から始めてみてください。
それが、あなたらしい豊かな一人暮らしへの第一歩になるかなと思います。