こんにちは。「ヒトグラ」運営者の「ハシタカ」です。
これから東京で一人暮らしを始める方や現在都内で生活している方にとって、毎月の固定費の中でも特に気になるのが電気代ではないでしょうか。
実際に私の周りでも、東京での一人暮らしにおける電気代の平均や相場を知りたいという声は非常に多く聞かれます。
特に夏や冬のエアコンを使用する季節には請求額に驚いてしまうこともありますし、マンションやアパートといった住居形態、あるいは契約しているアンペア数によっても料金は大きく変わってきます。
水道光熱費全体のシミュレーションを含め、自分の支出が適正なのかどうかを判断するのはなかなか難しいものです。
そこで今回は、最新のデータをもとに東京で暮らす単身世帯のリアルな電気代事情について詳しく掘り下げてみたいと思います。
- 東京の一人暮らしにおける電気代の平均額と季節ごとの推移
- 冬の暖房や在宅勤務がコストに与える影響の大きさ
- 契約アンペア数の変更や新電力への切り替えによる具体的な節約効果
- 賃貸でもすぐに実践できる窓の断熱などの物理的な対策
東京の一人暮らしの電気代平均を徹底解説

まずは、東京都を含む関東地方で一人暮らしをしている人たちが、実際にどれくらいの電気代を支払っているのか、その実態を見ていきましょう。
平均値を知ることは、自分の家計診断の第一歩になります。
東京の単身世帯における月額平均
結論から言うと、東京都を含む関東地方における単身世帯の月額平均電気料金は、2024年度のデータでおよそ6,566円となっています。これが一つの基準線、つまりベースラインになります。
「意外と安い?」それとも「高い!」と感じましたか?実はこれ、全国的に見ると「中程度からやや安価」な部類に入るんです。
例えば、寒さが厳しい北海道や東北地方では暖房費がかさむため平均7,500円を超えますし、逆に九州地方と比較すると東京の方が少し高い傾向にあります。
ただし、この6,500円台という数字はあくまで年間を通した平均値です。
春や秋の過ごしやすい時期と、冷暖房をフル稼働させる時期では請求額が全く異なるため、この金額だけで「うちは高い」「安い」と判断するのは少し危険かもしれません。
夏と冬で変動する電気代の推移

電気代は季節によってジェットコースターのように変動します。
「夏はエアコンを使うから高い」というイメージが強いですが、データを紐解くと実は少し違った景色が見えてきます。
| 季節 | 期間 | 平均電気代(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 冬季 | 1月~3月 | 約9,340円 | 最大のピーク。暖房や給湯負荷が高い。 |
| 春季 | 4月~6月 | 約5,486円 | 安定期。最も安く済む時期。 |
| 夏季 | 7月~9月 | 約5,842円 | 冷房を使うが冬ほどではない。 |
| 秋季 | 10月~12月 | 約5,833円 | 比較的安定している。 |
このように、最も電気代が高くなるのは圧倒的に「冬(1月~3月)」なんです。平均でも9,000円を超えており、人によっては1万円を軽くオーバーすることも珍しくありません。
逆に春や秋は5,000円台に落ち着きます。年間平均の6,566円という数字は、この激しい波を平均化したものに過ぎないというわけですね。
電気代が高い原因は冬の暖房にある
なぜ冬の電気代がこれほど跳ね上がるのでしょうか。
その最大の理由は、外気温と室温設定の「温度差」にあります。
夏の東京で35℃の日に部屋を27℃に冷やす場合、その差は8℃です。
しかし、冬に外が7℃の時、部屋を20℃まで暖めようとすると、差は13℃にもなります。
エアコンなどの暖房器具は、この温度差を埋めるためにエネルギーを使うため、冬の方が圧倒的にパワーを必要とするのです。
さらに、冬は以下の要因も重なります。
- 日照時間が短く、照明をつけている時間が長い
- 水道の水温が低いため、お湯を沸かすのにエネルギーが多く必要(電気ケトルやIH調理器など)
- 在宅時の服装が厚着でも限界があり、結局暖房に頼らざるを得ない
冬の予算管理こそが重要になります。
水道光熱費を含めたトータルコスト

一人暮らしの家計を考える上では、電気代だけでなくガス代や水道代を含めたトータルコストで見る必要があります。
ガス代に関しては、プロパンガス(LPガス)か都市ガスかで大きく変わりますが、都市ガスエリアの東京であれば、単身世帯のガス代平均は3,000円~4,000円程度が一般的です。
水道代は2ヶ月に一度の請求ですが、月換算で2,000円~3,000円程度でしょう。
これらを合計すると、東京での一人暮らしにおける水道光熱費のトータル目安は、月平均で11,000円~13,000円程度となります。
もちろん、冬場はこの合計額が15,000円~20,000円近くまで膨らむリスクがあることを覚悟しておく必要があります。
アパートやマンションなど物件での違い
住んでいる建物の種類も電気代に直結します。特に影響するのが「気密性」と「断熱性」です。
鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションは気密性が高く、一度冷暖房で調整した室温が逃げにくい傾向にあります。
一方、木造アパートや軽量鉄骨の物件は、どうしても外気の影響を受けやすく、特に冬場は窓や隙間からの冷気(コールドドラフト)によって暖房効率が落ちがちです。
もしこれから物件を選ぶのであれば、家賃だけでなく「建物の構造」や「窓の向き」もチェックポイントに入れることを強くおすすめします。
家賃が数千円安くても、光熱費がそれ以上に高くなってしまっては本末転倒ですからね。
東京の一人暮らしの電気代平均を下げる技

平均や相場がわかったところで、次は「どうやって安くするか」という実践的な話に移りましょう。
こまめに電気を消すのも大切ですが、それ以上に効果的な「構造改革」があります。
契約アンペア数の見直しで基本料削減
東京電力エリアにお住まいの方、ご自宅の契約アンペア数(A)を把握していますか?
実はここを見直すだけで、毎月の基本料金を確実に下げることができます。
多くの賃貸物件では、入居時に「40A」で契約されていることが多いです。
しかし、一人暮らしであれば「30A」でも十分に暮らせることがほとんどです。
| 契約アンペア | 基本料金(目安) | ライフスタイルの目安 |
|---|---|---|
| 20A | 約554円 | ミニマリスト向け。同時に複数の家電を使うと落ちる。 |
| 30A | 約831円 | 一般的な一人暮らしならこれで十分。 |
| 40A | 約1,108円 | 家電が多い、または初期設定のまま。 |
もし現在40Aで契約していて30Aに変更した場合、月額約277円、年間で約3,300円の固定費削減になります。これは我慢などの努力が一切不要な、確実な節約術です。
オール電化とガス併用の料金比較

「オール電化はお得なのか?」というのもよくある疑問です。
最近の調査データを見ると、オール電化の単身世帯の電気代平均は約9,000円ほどになることがあります。
「えっ、平均6,500円より高いじゃん!」と思うかもしれませんが、ここにはガス代が含まれていません。
ガス併用の場合、電気代6,500円+ガス代3,500円で合計10,000円ほどかかることを考えると、トータルコストではオール電化の方が安くなるケースも多いのです。
特に、基本料金が電気の一本にまとまるメリットは大きいです。
ただし、昼間の電気代が高めに設定されているプランが多いので、在宅ワークなどで日中も家にいることが多い方は注意が必要です。
在宅勤務やPC使用時のシミュレーション
コロナ禍以降、自宅で仕事をする機会が増えた方も多いでしょう。
実は、在宅勤務(リモートワーク)は電気代に大きなインパクトを与えます。
毎日出社する場合と比較して、週5日のフルリモート勤務を行うと、エアコンや照明、PCの稼働により月額約5,000円以上のコスト増になるという試算もあります。
会社にいた時間を自宅で過ごすわけですから当然ですが、年間6万円の出費増は無視できません。
また、ゲーミングPCなどのハイスペックなデスクトップPCを使用している方も要注意です。
一般的なノートPCに比べて消費電力が桁違いに大きく、毎日長時間ゲームをしたり動画編集をしたりする場合、PC単体で月額数千円の電気代がかかっていることもあります。
「なぜか電気代が高い」という人は、自分のPC環境を見直してみると良いかもしれません。
すぐ実践できるエアコン等の節約術
今すぐできる節約術として、最も効果的なのは「窓の断熱」です。
特に賃貸アパートの場合、窓からの熱の出入りが激しいです。
100円ショップやホームセンターで売っている「窓用断熱シート(プチプチ)」を窓に貼るだけで、断熱効果が劇的に向上します。
これにより、エアコンの設定温度を冬は低め、夏は高めに設定しても快適に過ごせるようになり、結果として消費電力を大きく抑えられます。
エアコンの使い方については、「つけっぱなしがお得」という説もありますが、これは「30分~1時間程度の外出なら切らない方がいい」という意味です。
起動時に最も電力を使うためですが、数時間以上出かけるなら普通にオフにした方が節約になります。
また、フィルター掃除を2週間に1回やるだけでも数%の省エネ効果がありますよ。
おすすめの電力会社への乗り換え戦略

最後に、電力会社の乗り換え(スイッチング)です。2016年の電力自由化以降、私たちは自由に電力会社を選べるようになりました。
2025年現在、多くの新電力会社(オクトパスエナジーなど)がキャッシュバックや基本料金無料などの強力なキャンペーンを展開しています。
これらの特典をうまく活用すれば、実質的な電気代を大幅に下げることが可能です。
また、「Looopでんき」のように基本料金0円で市場価格に連動するプランもあります。
ただし、市場連動型は燃料価格高騰時に料金が跳ね上がるリスクもあるため、仕組みをよく理解した上で選ぶ必要があります。
「昼間は家にいない」「細かい調整は面倒」という方は、大手電力会社の従量電灯プランや、燃料調整費の上限があるプランの方が安心して使えるかもしれません。
契約前には必ず公式サイトで最新情報を確認し、ご自身のライフスタイルに合っているかシミュレーションしてください。
東京の一人暮らし電気代平均の総まとめ
今回は「一人暮らし 電気代 平均 東京」というテーマで、リアルな数字と対策をお伝えしてきました。最後に要点を振り返りましょう。
- 東京の一人暮らし電気代平均は約6,566円だが、冬は9,000円超えが当たり前。
- 最大のコスト要因は冬の暖房。夏よりも冬の対策が重要。
- 契約アンペアを40Aから30Aにするだけで年間約3,300円の節約が可能。
- 窓の断熱対策や電力会社の乗り換えは、効果の高い「投資」になる。
電気代は「削れない固定費」だと思われがちですが、知識と少しの行動でコントロール可能な支出です。
まずはご自身の検針票やWeb明細をチェックして、現状を把握することから始めてみてくださいね。