「一人暮らしの終の住処」を考え始めたものの、具体的な準備を何歳から始めればよいか、悩んでいませんか。
特に独身女性の方や身寄りなしの場合、将来の棲家(住処)の決め方について不安を感じやすいかもしれません。
老後の限界年齢が近づく中で、お金がないと選択肢が狭まるのではないか、ワンルームのような住まいでも大丈夫か、といった心配もあるでしょう。
また、どこに住むのが最適か、人気のランキングなども気になるところです。
この記事では、老後の一人暮らしの住まいに関する様々な疑問にお答えし、最適な選択肢を見つけるためのポイントを解説します。
- 終の住処を考え始める最適なタイミング
- 一人暮らしの老後に適した住まいの選択肢
- 独身や身寄りなしの場合の具体的な備え方
- 経済状況に応じた住まいの見つけ方
一人暮らし 終の住処、何歳から考える?
- 終の棲家(住処)を考えるタイミング
- 検討開始は何歳からがベストか
- 一人暮らしの限界年齢とは
- 独身女性の老後の住まい選び
- 身寄りなしの場合の備え方
終の棲家(住処)を考えるタイミング
「終の住処(ついのすみか)」とは、文字通り人生の最期まで生活するための住居を指します。
年齢を重ねると、今の住まいが将来的に快適かどうか、不安を感じる瞬間が増えてくるものです。
老後を安心して過ごすためにも、暮らしの基盤となる住まいについて早めに準備を始めることが大切です。
多くの場合、終の住処について具体的に考え始めるきっかけは、ライフスタイルの大きな変化と重なります。
終の住処を考える主なきっかけ
- 仕事の定年退職
- 子供の独立による世帯人数の変化
- パートナーとの死別
- 自身の体力の低下や健康不安
もちろん、こうしたきっかけが訪れる前に考え始めるに越したことはありません。
現実と向き合い、将来の生活を想像しながら家族や専門家と相談しておくことが、将来の安心につながります。
検討開始は何歳からがベストか

終の住処について考え始める時期に早すぎるということはありませんが、一般的には50代から70代にかけて意識し始める方が多いようです。
しかし、不動産の契約や資金計画、体力的な問題を考慮すると、ベストな検討開始時期は50代と言えます。
50代:情報収集と計画の時期
50代はまだ現役で働いている方が多く、体力や判断力も充実しています。
この時期に「老後はどこで暮らすか」を考え始めると、余裕を持って準備できます。
老後の資金計画を立てたり、住み替えやリフォームの情報収集をしたりするのに適した時期です。
60代:具体的な行動の時期
60代になると退職を迎え、生活スタイルが大きく変わります。
「今の家で安心して暮らせるか」を具体的に再評価し、住み替えやリフォームを実行に移す方が増える時期です。
シニア向け住宅や施設の見学を始めるのも良いでしょう。
70代:最終決定の時期
70代になると、介護の必要性も現実味を帯びてきます。自宅での生活が難しくなるリスクも考慮し、住まいの最終決定を下す時期です。
ただし、この時期に決断を先延ばしにすると、体力や判断力の低下により、自分で選択する余地が少なくなる可能性があるため注意が必要です。
注意点:60代以降は「賃貸が借りにくい」現実
特に賃貸住宅への住み替えを検討している場合、60歳を超えると賃貸契約のハードルが一気に上がるという厳しい現実があります。
大家さん側(貸主)が、定年後の収入減による家賃滞納リスクや、孤独死のリスクを懸念するためです。
「定年してからゆっくり探そう」では間に合わない可能性があるため、賃貸を希望する場合は特に50代での行動開始が重要になります。
一人暮らしの限界年齢とは
「何歳まで一人暮らしができますか?」という問いに対して、明確な「限界年齢」はありません。しかし、一つの目安となるのが「健康寿命」です。
健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活に制限のない期間」を指します。2019年のデータでは、男性が72.68歳、女性が75.38歳とされています。
つまり、70代を過ぎると、男女ともに何らかの健康上の支障が出始め、一人暮らしが難しくなってくる可能性が高まります。
一人暮らしの限界が近いサイン
- 病気やケガをした際の対応が遅れる(通院や買い物が困難)
- 認知症の兆候(物忘れが増える、火の消し忘れなど)
- 孤独によるストレスや健康リスク(人との交流が減る)
- 日々の家事(掃除、炊事)や買い物が辛くなってきた
このようなサインが見え始めたら、一人での生活が限界に近づいている可能性があります。
無理をせず、早めに家族や専門家、自治体の窓口に相談することが大切です。
独身女性の老後の住まい選び

近年は生き方が多様化し、独身で老後を迎える女性も増えています。
総務省の2021年度家計調査によると、65歳以上の単身無職世帯(女性)の1ヶ月の消費支出は平均約13万円というデータがあります。
収入が年金中心となるため、余裕を持った生活のためにはまとまった貯蓄が重要です。
独身女性の老後の住まいには、いくつかの選択肢があります。
1. 賃貸(マンションやアパート)
メリット:物件数が多く、体調やライフスタイルの変化に合わせて住み替えがしやすいです。設備の維持管理も大家さんや管理会社に任せられます。
デメリット:前述の通り、高齢になると契約の選択肢が減る可能性があります。また、家賃の支払いが生涯続きます。
2. 持ち家(マンションや一戸建て)
メリット:住宅ローンを完済すれば、住居費の負担が大幅に減ります。自分の体調に合わせて自由にリフォームできるのも魅力です。
デメリット:固定資産税や建物の維持・修繕費が継続的にかかります。将来、自分が亡くなった後の資産の取り扱いについても考えておく必要があります。
3. 高齢者向けマンション
メリット:「シニア向け分譲マンション」とも呼ばれ、バリアフリー設計はもちろん、レストランやジム、見守りサービスなどが充実していることが多いです。同世代との交流も楽しめます。
デメリット:設備やサービスが充実している分、購入費用や管理費が高額になる傾向があります。
独身女性の住まい選びでは、将来の医療費や介護費も見越した無理のない資金計画が何よりも重要です。
体調の変化による住み替えの可能性も視野に入れ、早めにファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみるのも良いでしょう。
身寄りなしの場合の備え方

身寄りなし、いわゆる「おひとりさま」の場合、老後に潜むリスクに対して、より入念な準備が必要です。
頼れる親族がいない場合、特に問題となるのが「身元保証人」と「判断能力が低下した後」の対応です。
身寄りがない方が直面しやすいリスクには、以下のようなものがあります。
- 生活資金が足りなくなるリスク
- ケガや病気の際に対応が遅れるリスク
- 孤独死のリスク
- 入院や施設入所時の「身元保証人」が見つからないリスク
- 判断能力低下後の財産管理や契約手続きのリスク
- 亡くなった後の手続き(葬儀、納骨、遺品整理)のリスク
これらのリスクに備えるため、以下の3つの対策は元気なうちに必ず検討してください。
身寄りなしの方が準備すべき3大対策
- 身元保証サービスの契約入院や高齢者施設への入所時には、多くの場合「身元保証人」を求められます。
- 親族に頼めない場合は、身元保証を引き受けてくれる民間サービス(身元保証会社)の利用を検討しましょう。
- 任意後見制度の利用認知症などで自分の判断能力が低下した際に備え、財産管理や介護の手続きを任せる人をあらかじめ契約で決めておく制度です。
- 死後事務委任契約の締結自分が亡くなった後の葬儀、納骨、役所への届け出、遺品整理などを信頼できる第三者や専門家(司法書士など)に依頼しておく契約です。
他にも、見守りサービスの利用、かかりつけ医を決めておく、地域コミュニティへの参加、遺言書の作成なども、おひとりさまの老後を支える重要な備えとなります。
一人暮らし 終の住処の決め方と選択肢
- 終の住処の決め方のポイント
- 老後どこに住むのがおすすめ?
- 住みたい街ランキングから見る傾向
- 老後のワンルーム暮らしは可能か
- 老後のお金がない場合の住まい
- 最適な一人暮らし 終の住処を見つけよう
終の住処の決め方のポイント

老後の一人暮らしを成功させるためには、住まい選びで失敗しないことが重要です。
以下の3つのポイントを意識して、慎重に検討を進めましょう。
1. 叶えたい希望や条件を明確にする
まずは、自分がどのような暮らしを望むのか、具体的な希望や条件をリストアップすることから始めます。
「何を優先し、何を妥協できるか」を明確にすることが、最適な住まいを見つける第一歩です。
- 住みたい地域:気候、交通の便、治安など。
- 周辺環境:医療機関(病院・クリニック)、商業施設(スーパー、コンビニ)、銀行などが徒歩圏内にあるか。
- 住居タイプ:一戸建てかマンションか、賃貸か持ち家か。
- 介護・医療:将来介護が必要になった場合、どのようなサポートが必要か。
2. 無理のない資金計画を立てる
老後の生活を安定させるためには、しっかりとした資金計画が欠かせません。
住まいの選択肢に応じて必要な予算(入居費用、月々の支出)を具体的に計算しましょう。
- 持ち家の場合:固定資産税、修繕費、メンテナンス費用を見込む。
- 賃貸の場合:家賃の支払いを長期的に見通す。
- 高齢者施設の場合:入居一時金や月額利用料を計算する。
年金収入を基本に、貯蓄や公的な支援制度(介護保険など)を活用することも含めて、長期的に無理のない計画を立てることが大切です。
3. 家族や専門家に相談する
住まい選びは、一人で決めずに家族や専門家に相談することも重要なポイントです。
家族とは、自分の希望や将来の介護について意見を共有し、理解と協力を得ておくと安心です。
また、不動産会社や介護の専門家(ケアマネジャー)、地域包括支援センターなどに相談すれば、物件選びや資金計画について適切なアドバイスを受けることができます。
老後どこに住むのがおすすめ?

老後の一人暮らしの住まいには、主に4つの選択肢があります。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分の希望や条件に最も合うものを選びましょう。
| 住まいの種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 持ち家・分譲マンション | ・資産として所有できる・リフォームや改装が自由・住み慣れた地域で暮らせる | ・建物の修繕や維持費(管理費)が継続的にかかる・庭の手入れなどが負担になることも・バリアフリー化に費用がかかる |
| 賃貸住宅・マンション | ・初期費用を抑えられる・体調やニーズに合わせ住み替えが容易・建物の管理や修繕は大家負担 | ・家賃の支払いが続く・高齢になると契約が難しくなる・リフォームが自由にできない |
| 高齢者向け住宅(サ高住など) | ・バリアフリー設計で安全・安否確認や生活相談サービスがある・同世代との交流がしやすい | ・サービスが充実している分、費用が高め・施設の規則があり、自由度が低い場合も・希望地域に物件がないことも |
| 有料老人ホーム(介護付など) | ・24時間体制の介護サポート・食事やリハビリ、レクが充実・介護度が重くなっても安心 | ・入居費用や月額費用が高額・生活や外出が制限されることも・プライバシーが保たれにくい場合も |
住みたい街ランキングから見る傾向

定年後に住みたい街として、どのような場所が人気なのでしょうか。
株式会社LIFULLが実施した調査(※)によると、人気の傾向は大きく二つに分かれました。
(※参照:株式会社LIFULL 「定年後に住みたい街(駅)ランキング」)
1. 郊外:自然や歴史、落ち着きを求める傾向
首都圏では「鎌倉」(神奈川県)が1位、近畿圏では「京都」(京都府)が1位でした。
「自然環境が素晴らしい」「寺社仏閣をのんびり巡りたい」といった理由が挙げられており、通勤の必要がなくなることで、都会の喧騒から離れてゆったりと暮らしたいというニーズがうかがえます。
2. 都会:利便性や医療・福祉を求める傾向
一方で、首都圏の2位は「横浜」、3位は「吉祥寺」、中部圏の1位は「名古屋」でした。
これらは交通の便が良く、商業施設や病院、介護サービスが充実している点が評価されています。「老後は車を手放すことも考え、徒歩や公共交通機関で生活が完結する利便性の高い場所が良い」という現実的な視点も強くあります。
エリアを問わず重視される共通点
「郊外」と「都会」のどちらが選ばれるかは個人の好みによりますが、ランキング上位の街に共通しているのは、「日常の買い物に便利な商業施設」と「安心して暮らすための医療機関」が充実している点です。
年齢を重ねても安心して便利に暮らせる環境が、重要な選択基準となっているようです。
老後のワンルーム暮らしは可能か
「老後の一人暮らしは、ワンルームでも大丈夫だろうか」と心配される方もいますが、結論から言えば十分可能であり、むしろメリットも多い選択です。
体力や気力が低下してくる老後において、広い家は管理や掃除が大きな負担となります。
その点、ワンルーム(1Kなども含む)のようなコンパクトな住まいは、生活動線が短く、管理しやすいのが最大のメリットです。
老後にワンルームで暮らす メリット
- 掃除や片付けの負担が大幅に減る
- 光熱費などの生活コストを抑えられる
- 全てのものが手の届く範囲にあり、管理しやすい(物忘れ防止にも)
老後にワンルームで暮らす デメリット
- 収納スペースが極端に少ない
- 将来、介護ベッドなどを置くスペースの確保が難しい
- 友人や家族が来た際のスペースがない
ワンルーム暮らしを成功させるには、「断捨離」が必須です。
元気なうちに持ち物を厳選し、本当に必要なものだけに囲まれたシンプルな生活へ移行することが、快適な老後ワンルーム暮らしの鍵となります。
老後のお金がない場合の住まい
「貯蓄が少なく、年金だけで生活できるか不安」など、老後の資金に不安がある場合でも、選択肢が全くないわけではありません。
経済的な負担を抑えて暮らすための住まいとして、以下のような選択肢があります。
1. 公営住宅(都道府県営・市町村営住宅)
国や自治体が低所得者向けに提供している賃貸住宅です。
最大のメリットは、家賃が非常に安いことです。所得に応じて家賃が設定されます。
ただし、入居には収入制限などの条件があり、希望者が多いため抽選になることがほとんどです。
2. ケアハウス(軽費老人ホーム)
無料または低額な料金で、食事の提供や日常生活のサポートを受けられる施設です。
所得が低い方でも入居しやすく、自立した生活が基本ですが、必要に応じてサポートも受けられます。
「自立型」「介護型」など種類があり、施設によってサービス内容や費用が異なります。
3. UR賃貸住宅(旧公団住宅)
高齢者でも入居審査が通りやすく、礼金・仲介手数料・更新料・保証人が不要な物件が多いのが特徴です。
公営住宅ほどの家賃の安さはありませんが、民間の賃貸住宅を借りにくくなる高齢者にとっては、有力な選択肢の一つです。
資金面に不安がある場合は、まずお住まいの自治体の窓口(福祉課など)や、地域包括支援センターに相談し、利用できる制度がないか確認してみましょう。
最適な一人暮らし 終の住処を見つけよう
この記事の要点をまとめます。
- 終の住処は人生の最期まで暮らす場所
- 検討は体力と判断力がある50代からが理想
- 60歳を過ぎると賃貸契約が難しくなる傾向
- 健康寿命が一人暮らしの限界年齢の一つの目安
- 独身女性は早めの資金計画が重要
- 身寄りなしの場合は身元保証や任意後見の準備を
- 住まい選びは希望条件の明確化から
- 資金計画では医療費や介護費も考慮する
- 家族や専門家への相談も選択肢に入れる
- 主な選択肢は持ち家・賃貸・高齢者向け住宅
- 持ち家は維持費、賃貸は高齢者の契約難が課題
- 高齢者向け住宅は安心だが費用がかかる場合も
- 人気の街は「自然豊かな郊外」か「便利な都会」
- 共通点は医療と買い物の利便性
- ワンルーム暮らしは管理が楽だが介護スペースに注意
- 資金が不安なら公営住宅やケアハウスも検討
老後の一人暮らしを充実させるためには、住まいの選択肢をよく考え、自分に合った住まいを選ぶことが大切です。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の希望や条件に合った最適な終の住処を見つけましょう。