一人暮らしは外食の方が安い？金銭・時間コストを徹底比較

こんにちは。一人暮らし応援ブログ「ヒトグラ」を運営しているハシタカです。

「一人暮らしって、自炊するより外食の方が安いんじゃない？」って、ふと思ったことありませんか。

仕事で疲れて帰ってきて、そこからスーパーに寄って、献立を考えて、料理して、食べた後には洗い物…。

正直「めんどくさい」が勝ちますよね。

私も、買ったはいいけど使い切れなかった野菜を冷蔵庫の奥で見つけて、自己嫌悪に陥ることがあります…。

確かにお金だけ見たら自炊が安いのは分かってるけど、料理や片付けにかかる時間や手間、ストレスまで全部考えると、「結局どっちが本当にお得なんだろう？」って悩むのは、すごく自然なことだと思います。

この記事では、単なる食費（金銭コスト）だけじゃなく、あなたの貴重な時間（時間コスト）や、献立を考えるストレス（精神コスト）、さらには将来の医療費にも関わる健康（健康コスト）まで、ぜんぶ含めた「総コスト」で、一人暮らしの外食と自炊を徹底的に比較していきます。

あなたにとって一番合理的で、ハッピーな食生活のバランスを見つけるお手伝いができればと思います。

• 一人暮らしの食費、自炊と外食の「総コスト」比較

• 自炊に隠された「時間」と「精神的コスト」の正体

• 外食と中食のメリット・デメリットと健康面の注意点

• あなたに合う「自炊・中食・外食」の最適バランス

一人暮らしは外食の方が安いかの結論

まず結論から。お金だけ見れば自炊が安いですが、時間や手間まで含めた「総コスト」で考えると、話はガラッと変わってきます。

この「隠れたコスト」を理解することが、食生活の悩みから解放される第一歩です。

まずはデータと、自炊に隠されたコストを見ていきましょう。

結局どっち？総コストで比較

「一人暮らしは外食の方が安い？」というこの疑問、核心を突いてるなと思います。

単なる節約術の話じゃなくて、「私の時間の価値って、いくら？」という問いでもあるんですよね。

先に結論から言うと、「金銭コスト」だけなら自炊が圧勝です。これは間違いありません。

でも、料理を考える「精神コスト」や「時間コスト」まで全部含めた「総コスト」で判断するなら、多くの人にとって『自炊・中食・外食のハイブリッド戦略』こそが、一番合理的（安い）選択というのが私の考えです。

「お金だけ見て自炊を頑張ろう！」と決意して、高価な調理器具を揃えたのに、結局続かなくて挫折…これが一番もったいないパターンかもしれません。

「外食＝悪」と決めつけず、あなたの生活全体で見て一番ハッピーな選択肢を探しましょう、というのがこの記事のスタンスです。

コスパ最安は自炊の金銭コスト

とはいえ、まずは「理想」と「現実」をデータで直視するところから始めましょう。

純粋な食材費（金銭コスト）だけで比較した場合、自炊の優位性は揺るぎません。

ある試算によると、自炊メインの生活と外食メインの生活では、1食あたり、ひいては年間の食費にすさまじい差が生まれる可能性があります。

※上記はあくまで特定の試算に基づく目安であり、食材の価格や外食の内容によって大きく変動します。

これだけ見ると「やっぱり自炊じゃん！年間60万円も違うの！？」ってなりますよね。

金銭面だけを見れば、外食が自炊より安くなることは、まずありません。

理想と現実のギャップ

しかし、現実はちょっと違います。

総務省統計局が発表した「家計調査」（出典：総務省統計局『家計調査』）のデータを見ると、単身世帯全体の食費（食料）は、月額48,000円前後で推移していることが多いんです。（※2025年2月発表の情報に基づき、最新の傾向を反映しています）

理想の自炊（月約22,500円）と比べて、現実の単身世帯全体の食費（食料）は（月約48,000円）と2倍以上です。

この差額の正体こそが、食費の過半数（約52%）を占める「外食費」と「調理食品（中食）」なんです。

これはつまり、多くの人が「自炊の金銭的メリット」よりも、「外食・中食の手軽さ（時間・精神コストの削減）」に価値を感じて、実際にお金を払っている、という動かぬ証拠なんですよね。

「高い」と知りながらも、私たちは合理的な選択をしているとも言えます。

時間コストは外食が圧倒的有利

自炊って、食材費は安いですけど、代わりにあなたの貴重な「時間」というコストを支払っています。

これ、見落としがちですが、実はかなり大きなコストです。

ある検証データによれば、一人暮らしの自炊（買い出し・調理・片付け）にかかる時間は、以下のようになると言われています。

• 食材の買い出し：週2回 × 20分 = 40分

• 調理と皿洗い：1日約40分 × 7日 = 280分

• 1週間の合計：約320分（約5.3時間）

1ヶ月で約22時間。丸一日（24時間）近くを、料理と片付けに費やしている計算ですね。

これ、冷静に考えるとなかなかの時間です。

この「時間コスト」を機会費用として評価してみましょう。

先の比較（テーブル1）で、自炊は外食より年間約60万円安いという結果でした。

この60万円を、年間約276時間（22時間×12ヶ月＋α）の「自炊労働」によって稼いでいると仮定すると、自炊の「時給」は約2,174円と算出できます。

自炊の「めんどくさい」精神コスト

時間コストと並んで、いや、もしかしたらそれ以上に私たちの行動を左右しているのが、この「精神コスト」です。いわゆる「めんどくさい」の正体を分解してみましょう。

計画の壁：献立という名のプロジェクト

「今夜なに作ろう…」これはもう、一つのプロジェクトです。

栄養バランスを考え、冷蔵庫の在庫（賞味期限）と照らし合わせ、安く済むようにレシピを探し…。

この「計画」作業が、多大な知的労働なんですよね。

疲れている時は、この「考える」こと自体がもう無理、ってなります。

実行の壁：労力と報酬のアンバランス

料理家の方でさえ「料理に30分かかるのに、食べるのは5分。『30：5かぁ』」と、その労力と報酬のアンバランスについて言及することがあるそうです。

頑張って作ったのに、あっという間に食べ終わってしまう。

この不均衡が、「めんどくさい」という感覚を増幅させます。

比較の壁：プロの味との絶望的な差

外食なら、1,000円も出せばプロが作った美味しい定食が、品数豊富に出てきます。

でも、自宅で1,000円の予算と多大な労力をかけても、あのクオリティと品数を再現するのはほぼ不可能です。

「こんなに頑張ったのに、この味か…」と、外食のクオリティと比較してしまい、むなしくなることもあります。

承認の壁：孤独な食卓

苦労して作った料理も、一人で黙々と消費するだけでは「労力の供養」ができません。

家族がいれば「美味しいね」の一言で報われるかもしれませんが、一人暮らしではそれもありません。

SNSでシェアするなど、何らかの承認を求めなければ割に合わない、と感じる精神的負担もあります。

一人暮らしの食材ロスリスク

一人暮らしの自炊において、最大の経済的損失であり、精神的ダメージも大きいのが「食材の廃棄」リスクです。

スーパーで特売品を見つけて「これで節約！」と思ってキャベツを丸ごと一個買っても、結局使い切れずに断面が黒ずんできた…とか。

「あとで使おう」と思ってたキノコが、冷蔵庫の奥でしなびていた…とか。「あるある」ですよね。

1,000円分の食材を購入し、そのうち3割を使い切れずに廃棄したと仮定します。

この場合、実質的に利用した700円分の食材に対し、1,000円を支払ったことになります。

1食あたりの実質コストは、計画よりも40%以上も割高になってしまうんです。

この「使い切れないリスク（リスクコスト）」が、一人暮らしの自炊の経済性を著しく低下させている大きな原因の一つです。

一人暮らしは外食の方が安いかの答え

自炊に隠された「お金」以外の重いコストが分かったところで、じゃあどうすればいいのか。

外食や、第3の選択肢である「中食」のコストも分析しつつ、私たち一人暮らしにとっての「最適解」を探っていきます。

第3の選択肢「中食」の活用

自炊の「総コスト」は高すぎる、しかし外食の「金銭・健康コスト」も受け入れ難い…。このジレンマを鮮やかに解決するのが、第3の選択肢「中食（なかしょく）」です。

中食とは、お惣菜やお弁当などを購入し、自宅（あるいは職場など）に持ち帰って食べる食事スタイルのこと。自炊（家で調理）と外食（店で食事）の中間に位置しますね。

家計調査のデータでも、一人暮らしの食費において「調理食品（中食）」はすでに月額8,750円（食費全体の約19.1%）を占めており、これはもう「手抜き」ではなく、現代の合理的な「食のインフラ」の一つと呼べるレベルです。

中食は、外食（1食800円目安）よりは安く、自炊の「めんどくさい」部分（献立、調理、後片付け）を、外食とほぼ同様にゼロにできる、まさに自炊と外食の「いいとこ取り」ができる合理的な選択肢だと私は思います。

スーパーの値引きシールの貼られたお惣菜や、コンビニの進化し続けるお弁当は、忙しい一人暮らしの強い味方です。

健康面で比較する栄養バランス

外食や中食を選ぶときに、一番気になるのが「健康コスト」ですよね。

確かに、選び方を間違えると、将来的に「最も高額なコスト」である医療費を支払うことになりかねません。

でも、これは「選び方」次第で解決できると私は考えています。

コンビニ食＝不健康、というイメージも強いですが、栄養バランスの基本である「主食・主菜・副菜」の3つを意識的に組み合わせるだけで、中食でも健康的な食生活は十分可能です。

コンビニ・惣菜で実現する「栄養バランス術」

ポイントは「主食・主菜・副菜」を意識的に組み合わせることです。最近はコンビニでも、たんぱく質が摂れるバーや、食物繊維が豊富なサラダ、具だくさんのスープなど、健康を意識した商品が本当に増えました。

これらを選び取る「知識」さえあれば、中食でも十分健康は維持できます。

例えば、「おにぎり（主食）＋サラダチキン（主菜）＋野菜スープ（副菜）」という組み合わせは、それだけでバランスの取れた立派な食事となります。ぜひ意識してみてください。

無理しない自炊の節約テクニック

とはいえ、やっぱり自炊の節約効果は魅力です。

「中食や外食ばかりだと、お金が心配…」というのも本音ですよね。

自炊を続けるコツは、「義務」にしないこと。

自炊は「節約のため」と義務化すると、第2章で見た「精神コスト」に押しつぶされて挫折します。

「今日は時間があるからやろうかな」「料理でストレス発散しようかな」くらいの、趣味の延長くらいの感覚が長続きのコツです。

精神・時間コスト対策：「完璧」を捨てる

「一汁三菜」なんて、理想は高くても目指さなくてOKです。

• まずは1品から: まずは「ご飯を炊いて、納豆と味噌汁（インスタントでOK）を添える」だけでも立派な自炊です。丼ものや簡単な主食から挑戦しましょう。

• 「作り置き」は最小限に: 無理に何品も作ろうとすると週末が潰れます。休日に「野菜を切っておくだけ」「お肉を下味冷凍しておく」だけでも、平日の調理負担は激減しますよ。

• テクノロジーに頼る: 最も面倒な「計画」のコストは、「献立アプリ」などに外注（頼る）しちゃいましょう。

経済・リスクコスト対策：「計画」と「保存」

食材ロスを防ぐことが、自炊の経済性を高める一番の近道です。

• 予算管理: 1週間単位で予算を考え、買いすぎを防ぎます。週に一度「冷蔵庫リセットデー（あるもので済ます日）」を作るのも手です。

• 保存食材を活用: 「缶詰（サバ缶、トマト缶）」「乾物（パスタ、わかめ）」「冷凍野菜（ブロッコリー、ほうれん草）」は、腐る心配がないので一人暮らしの最強ストック食材ですね。これらを常備しておけば、買い物に行けない日も安心です。

外食でもできる栄養管理術

外食は「時間と手間を買う」ための合理的な手段です。

「外食＝不健康」と決めつけるのではなく、「外食を『栄養補給の場』として賢く利用する」という視点を持ちましょう。

基本は「定食スタイル」

何を食べるか迷ったら、「主食・主菜・副菜」が揃う「定食スタイル」を基本とします。

焼き魚定食、生姜焼き定食、鶏肉の定食など、バランスの典型です。これが栄養バランスの基本形であり、外食でも最強の選択肢だと私は思います。

単品メニューには「ちょい足し」を

どうしても丼ものや麺類が食べたい時もありますよね。

そんな時は「単品で完結させない」ことが鉄則です。

成分表チェックの習慣

最近は多くのチェーン店でカロリーや栄養成分（塩分、脂質など）が公開されています。

選ぶ前にチェックするクセをつけると、「こっちのメニューの方が塩分少ないな」「思ったより脂質が多いな」といった賢い選択ができるようになりますよ。

一人暮らしで外食の方が安いかの最適解

ここまで分析してきた結果、「一人暮らしは外食の方が安い」という感覚は、時間や精神的コストを含めた「総コスト」で考えれば「半分ホント」でした。

でも、金銭コストと健康コストを考慮すれば、「半分ウソ」でもあったことが分かりました。

外食「だけ」に頼ることも、自炊「だけ」に固執することも、合理的ではありません。

あなたの「黄金バランス」を見つける

私たちが目指すべき真の最適解は、自炊、中食、外食を柔軟に組み合わせる「ハイブリッド戦略」です。

自炊は「義務」じゃありません。

その日のあなたのリソース（お金、時間、体力、精神力）に応じて、最適なカードを選び取ることが大切です。

「今日は疲れたから、迷わず外食！」も、「今日は時間があるから、ちょっと凝った自炊」も、どっちも正解。

その日の体調、時間、お財布、そして「めんどくさい度」に合わせて、3つの選択肢を自在に使いこなすこと。

それこそが、「一人暮らしは外食の方が安い」という問いに対する、現実的で最も合理的な答えだと、私は思います。